社会の荒波に揉まれているのと、年々厳しさを増す夏の暑さ…
唐突にすべてほっぽり出して
「あぁ〜何にもない高原で自然に囲まれて延々とボーっとしたーい!!」
ってなることありませんか?(俺はあります)
そんな俗世に疲れた人々の願いを叶えてくれる素敵な宿が長野県北部、高山村にありました。
「Redwood Inn」
標高1500mの高原に位置するこの温泉宿は、アメリカのカリフォルニアから輸入した樹齢1650年の巨木「レッドウッド」を丸ごと1本使用した、グランドキャニオン森林警備隊詰め所をモチーフにした、木の温かみのある宿です。
(1650年前というと日本だと古墳時代ですね。倭国の時代から存在する樹を使っているなんて…)
山田牧場という高原牧場が側にあり、牛達が放牧されています。
どこか日本離れした空間でいただく信州食材を使ったこだわりの料理があまりにも絶品だったこと、
その日は天気も良く、露天風呂から満天の星空を見ることができました。
日頃のイロイロを忘れることができる、極上のリフレッシュタイムを過ごすことができたので、超オススメです!
日本離れした空間〜高原と悠久の時を過ごす放牧された牛〜
Redwood Innは須坂長野東ICを降り、北上したところで合流する県道66号線を登った先にあります。
夏は高原牧場、冬はパウダースノーで定評のあるスキー場になるとのことです。
私が行ったのは夏です。陽射しが強いとあまり分かりませんが、標高差もあり、特に夜は涼しくなります。
山をせっせと登り、たどり着いた先で目にしたのは、
ひたすら草を食べまくる放牧された牛達でした。
集まる観光客には目もくれず黙々と草を食べ続ける牛……平和ですね。
チェックインまで少し時間があったので側にある山田牧場の見晴茶屋に寄りました。
(駐車場は全部共有化されているので一度到着してしまえばあとはもうまったりです)
手作りチーズ工房と看板に書かれていて、なるほどさすが牧場と思い、
「おまかせピザ」と「チーズかけ牛乳ソフトクリーム」をいただきました。
おまかせピザはマルゲリータ風でトマトとバジルがしっかり主張してきていて
旨みの濃いチーズと良いバランスでした。
チーズかけ牛乳ソフトクリームはチーズのほのかな塩味が
牛乳ソフトの甘みを飽きが来ないように引き立たせていました。
塩〇〇系のスイーツが好きな方は一度試していただきたいですね。
良質な温泉と絶品の料理と満天の星空の宿
良質な温泉〜芯まで温まる硫黄泉〜
さて、美味しいチーズ系軽食をいただいたり、ボーっと牛を眺めているうちにチェックイン時間になったのでいよいよ宿に入ります。
森林警備隊の詰め所モチーフなだけあってカッコよく映えています。
部屋はテラス付きの和洋室にしました。テラスには椅子が2脚とテーブルがあって牧場を眺めることができます。
人の声も少しだけ遠くなり……点々と牛達がのんびりと草を食べたり寛いだりしてて…それをただ眺め……zzz
……ご飯まで少し時間があったため、先に温泉に入ることにしました。
単純硫黄泉とのことで、特有のあの硫黄臭がします。湯の花が堆積していて、白濁していて、この香り…「効くぞ!」って感じがします。
実際筋肉痛や関節痛、冷え症などに効果があるようで、特に内湯はかなり熱く、上がった後もしばらく暖かかったです。
この温泉の一番の見どころはやはり露天風呂です。
宿そのものにも使われているレッドウッド。その直径3.2mの樹木をくり抜いた丸太の露天風呂が強烈に印象に残ります。
太古の樹の中に入りながら自然と空を仰ぐことが出来る。いつ入っても地球との一体感を味わうことができると思います!
絶品料理〜信州食材をふんだんに使った究極の料理〜
旬の野菜は自家菜園と農家から直接仕入れ、山菜は裏山から必要な分だけを取ってくるとのこと。
温泉と周りの自然だけでも十分推せるのに、俺が個人的に一番感動したのは料理でした。
所謂イメージされる旅館飯とは一線を画す、こだわり抜いた料理は、この宿に行く目的に十二分になり得ます。
ちなみに食事のときに選べる飲み物の種類がかなり多いです。
地元や本場ドイツのクラフトビールだったり、ワインだったり、好みに合わせて、こちらも選び甲斐があります。
ワクワクしながら待っていると、まずはオードブルがきました。
Redwood Innは燻製にも拘り抜いているようで、ドイツの燻製釜でひとつひとつ手作りしているようです。
晩御飯で出てきた燻製は牡蠣のオリーブオイルかけ。
燻製の香りが想像以上に強く、身が固くならずに引き締まり、別格の美味しさでした。
牡蠣を進んで選ばないパートナーも絶賛するレベルでした。
トマトスープ。濃厚で良い塩気があって美味しかったです。
俺はトマトジュースが苦手ですが、トマトスープは好きです。コクと塩気が大事なのかもしれません。
サーモンのミキュイ。ミキュイ???
調べると、完全には火を通さない調理法のようです。
生ではないがフワフワで柔らかい不思議なサーモンでした。
白ワインソースは口当たりがよく、クセがないから優しく味を支えてくれました。
バルサミコ酢の方は、それはそれで程よい酸味を与えてくれて進む味になりました。
(まあバルサミコの方は初めから勝ちを確信してましたが)
豚ヒレ肉ロースト。下味としてついていたであろうハーブと塩味が良く効いてました。噛みやすい良い柔らかさでした。
意外だったのがブルーベリーソース。シンプルにブルーベリーなのですが、
不思議なくらい肉とマッチしていました。酸味とフルーティーさが不思議な相乗効果をもたらしていました。
あとはオードブルのラタトゥイユからそうだったのですが、
全体的に野菜が美味しいです。さすがのこだわりを感じました。
炊き込みご飯ですが、目茶苦茶な美味しさでした。
ひたし豆が良い歯ごたえで優しい味付けがされています。
宿で出されるご飯系は大体量が多いのですが、これについてはスルリと完食できました。
ガトーショコラ。こちらも優秀の美を飾るにふさわしい、
濃厚だけれど整う、程よい苦さがコーヒーor紅茶と合うデザートでした。
ちなみに朝食も絶品です。
こだわり抜いたソーセージとベーコンの燻製とエッグベネディクトのプレートです。
燻製は晩御飯の牡蠣もそうでしたが、別格の香り高さを誇り、
エッグベネディクトはチーズソースが濃厚でたまりませんでした。
満天の星空〜街では絶対に見れない絶景〜
食事が終わり外に出てみると陽が傾き、うっすら辺りが暗くなっていました。
大分気温も下がり、散歩が心地よい感じにもなっていました。
現時点で雲が少なく星空の期待が高まったので、夜中になるまで少し寝ることにしました。
(寝過ごさないように細心の注意を払いながら)
山の天気は変わりやすいので不安はありましたが、夜23時、日ごろの行いが良かったのでしょうか、辺りには満天の星空が広がっていました!
すぐさま温泉へ。例の露天風呂です。
太古の樹木の中で、昼の時には地球との一体感を味わいましたが、
今度は違います。もはや宇宙との一体感です。
死ぬまでに見たい絶景何選に入っていてもおかしくないレベルです。
星座に詳しくなって各季節に来たくなってきますね。
温泉上がりに宿の外へ。露天風呂とは違う方角を見ることができます。
余談ですが載せている写真はすべてiPhone12で撮影しています。
実際の星空はこんなものではないですが、iPhoneも進化していて長時間露光(10秒)で星を写せるようになったみたいですね。
Redwood Innのオススメ周辺スポット
雷滝
須坂長野東ICからRedwood Innへ向かう、県道66号線沿いに5〜6台分の小さな駐車場があります。
雷滝という名勝地で、この道を通るなら、ぜひ見てほしい滝です。
落差のある滝で激しい水流の音からその名前がついたと言われておりますが、
凄いのはその滝裏を歩けるようになっていることです。
日本の名瀑である華厳の滝などは壮大ですが、展望台からあまりにも遠くてその凄さがイマイチ伝わらないこともあると思いますが、
雷滝は超至近距離で滝を見ることができます。自然の力に圧倒されること間違いなしです!
道の駅オアシスおぶせ
Redwood Innから長野方面に降り、高速道路の方へ向かうと道の駅があります。
上信越道小布施PAからもアクセスできる道の駅「オアシスおぶせ」でお土産などを買うことができます。
小布施といえば栗が有名ですが、栗菓子の銘店「桜井甘精堂」や「小布施堂」などの銘菓も売っています。
またすぐ近くに公園があり、パンが美味しいカフェもあるのでこちらもオススメです。
もちろんここから高速道路にも乗れるので帰り道に気軽に寄ることもできますね。
須坂市街
Redwood Innから長野方面に山を降りてくると長野市の隣町である須坂市に入ります。
須坂市はぶどうの名産地で、ぶどう農園が立ち並ぶエリアがあります。
季節になればぶどう狩り体験や、ぶどうの直売所が開いて地方への発送もできるので、とてもオススメです。
シャインマスカットやナガノパープルはもちろん、あまり聞かない珍しい品種もあったりします。
ぶどう農園のエリアからさらに南下していくと蔵の街があります。
街並みも情緒がありますし、美味しいカフェも結構あるので、
時間があれば寄ってみるのも良いかもしれません。
まとめ〜ゆったりと時間の流れる高原で心のリフレッシュを!
長野県北部の高山村の高原温泉宿「Redwood Inn」について紹介しました。
星空に関しては天気の運が絡んでしまいますが、
料理についてはこだわりが強いだけあって全部とても美味しいので、
料理目的で行っても全然問題ないくらいです。
(とはいえ星空もすごいものなので、やはり狙ってほしい感はあります。)
実はこのRedwood Inn、ひとつだけ欠点があって、
それは日常に帰りたくなくなることです!!
翌朝ものんびりと集まっては草をもつもつと食べる牛達を見るとなおさらスローライフ的なものに憧れてしまうかもしれません。
雷滝で圧倒的な自然の力を感じたり、
小布施や須坂市内で美味しいものを食べたり、
北信エリアのいろいろを一緒に楽しむのもオススメです!
俺もまたいろんな非日常を浴びて心を洗おうと思います。
それでは…今日はここまで!
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